「おはようございます、志貴さま。」
「あぁ、おはよう翡翠。」
「制服をお持ちいたしましたので、お着替え下さい。」
「あぁ、ありがとう。居間に秋葉はいる?」
「はい、今は食後の一時を楽しんでおります。」
「そうか…、それじゃぁ早くいかないとな。」
「はい、それが懸命かと思われます。」
「はは、そうだね。それじゃぁ先に居間へ行っててくれ。」
「はい、それでは失礼します。」
「おはようございます、兄さん。」
「あぁ、おはよう秋葉。」
「兄さん、まだ少し寝惚けているのでは?」
「ん…、そうかもな。」
「もう、遠野家の長男が、それでは困りますよ。」
「はは…、これでも結構頑張ってるんだけどな。」
「努力は結構ですから、結果を見せてください。」
「…うい、頑張ります。」
「はい、それでは食堂で琥珀がご飯を用意していますから、早くいって来て下さい。」
「あぁ、わかった。それじゃぁ後でな。」
「はい、兄さん。」
「おはようございます、琥珀さん。」
「はい、おはようございます、志貴さん。」
「あれ、今日の俺のご飯は?」
「はい、今ちょっと暖めなおしている所ですから、もう少しお待ちくださいね。」
「そっか。わざわざありがとう。」
「いえいえ、暖かい物を食べて頂かないと、作った人が悲しみますから。」
「あはは、作った人って琥珀さんじゃん。」
「えぇ、ですから、私が悲しいですから暖かいものを食べてください。」
「そうだね、琥珀さんを悲しませちゃダメだね。」
「はい、そういう事です。だから…。」
「…ん? なに? 琥珀さん。」
「早く、起きてください。」
「う…、善処します。」
「早く起きてくれないと、お料理が冷めてしまいますから。」
「うん…、努力するよ。」
「ですから、早く起きて下さい。」
「いや、わかったって…。」
「早く起きて、目を醒ましてください。」
「いや、琥珀さん…?」
「志貴さん、早く起きてください。」
「ちょっと、琥珀さん? 一体…。」
「起きてくれないと、私が悲しいんですよ。」
「いや、それは…。」
「起きて、起きて下さい。でないと私…。」
「ちょ、琥珀さん?」
「ダメですよ志貴さん、起きてくれないと、私死んじゃいますから。
私、ダメですよ。
志貴さんは私を助けてくれたのに、私が志貴さんを殺しちゃうなんて、そんなの耐えられない。
そんなの、私は生きていけません。
だから、起きて下さい。
でないと、私も死にますから。
志貴さんは私を護ってくれました。
でも私は志貴さんを傷つけて、殺しちゃうなんて。
そんなの嫌です。
私が換わりに死にますから。
私が換わりますから。
私の犠牲になんかならないでください。
ですから。
志貴さん、お願いですから目を醒まして。
志貴さん。志貴さん。志貴さん。志貴さん。志貴さん。志貴さん。
志貴さん。志貴さん。志貴さん。志貴さん。志貴さん。志貴さん。
志貴さん。志貴さん。志貴さん。志貴さん。志貴さん。志貴さん。
志貴さん。志貴さん。志貴さん。志貴さん。志貴さん。志貴さん。
志貴さん。志貴さん。志貴さん。志貴さん。志貴さん。志貴さん。
志貴さん。志貴さん。志貴さん。志貴さん。志貴さん。志貴さん。
志貴さん。志貴さん。志貴さん。志貴さん。志貴さん。志貴さん。
志貴さん。志貴さん。志貴さん。志貴さん。志貴さん。志貴さん。
志貴さん。志貴さん。志貴さん。志貴さん。志貴さん。志貴さん。―――――。」
「うん、そうだね。起きなきゃ。琥珀さんのご飯、ちゃんと食べないと。」
「―――――――――おはよう、琥珀さん。」
「―――――志貴さん、おはようございます。」
私は、目を醒ました。