――――――でも、狂わせるのは人だけではない事を、ぼくは良く知っていた。
――――――狂った世の中の、狂った歯車はどうやったら直るのだろう。
――――――窓から見える満月を眺め、ぼくはいつも問い掛ける。
――――――満月さん、ぼくはこれからどうなるのでしょうか?
世の中の動きは忙しなく、時間というものが留まる事はありえない。
ぼくは今まで、それを嫌と言うほど経験してきた。
ぼくの親が死んでしまった時。
ぼくが拾われた時。
ぼくが新しい生を歩まなければならなくなった時。
そして現在。
ぼくはただ、時が過ぎるのを待つわけにはいかない事も判っていた。
「さぁ……、いらっしゃい。いつもの『躾』を始めるわよ?」
ぼくに語りかけるその声の主は、顔に似合わず妖艶な空気を醸し出す。
裸体が見えてしまいそうな、シースルーのベビードールを着ている彼女は、月明かりに照らされ淡く微笑んでいる。
金髪の長いストレートの髪。
大きな、吸い込まれてしまいそうな淡い青色の瞳。
笑うとえくぼの出来る頬、桜色の薄い唇。
整った顔立ち。
小振りな、だけどしっかりと存在を示す、ハリと弾力のありそうな洋服で隠された胸。
折れてしまいそうな、細い柔らかい腰。
ネグリジェから伸びる、スラリとしたカモシカのような長い足。
どのパーツを取っても完璧。
誰が見ても『美少女』と呼ばれるだろう彼女は、いつもこの時間になるとぼくを呼ぶ。
ご飯を食べて、食後の充実感をゆっくりと味わった後に来る『躾』の時間。
ぼくはこの時間だけはどうしても好きになれなかった。
だって、この時間になると。
――――『彼女』は『彼女』ではなくなってしまうから。
彼女に呼ばれて、ぼくは彼女へと近づく。
急いで彼女の傍に行かないと、ぼくは怒られてしまう。
「……相変わらず、足の遅い子ね」
ほら、怒った。
「もうっ、しょうがないわね。早くおいでなさいっ」
彼女はツカツカとぼくに近づくと、ぼくを抱きかかえて自分が先程腰かけていた場所へと戻る。
大きいお部屋の窓際に位置する、やっぱり大きいベット。
彼女はぼくを抱きかかえたままベットの上に上がると、ゴロンと寝転がる。
その拍子に、ぼくの身体に彼女の小振りな暖かい胸が押し付けられた。
彼女はそれを気にする事も無く、抱えていたぼくをポイッと自分の足元に放る。
ぼくは慌てて大きなベットから落ちないように着地する。
「ふふっ、運がいいわね」
背後の声に振り向くと、彼女が上半身を少し起こしてこちらを眺めていた。
その瞳は、やはりどこか妖艶にぼくは見える。
口元には薄い笑みを表すえくぼ。
彼女がこんな顔をするのは、いつもこの時間だけだ。
「さぁ……」
ぼくを促すように彼女から出た言葉に、ぼくは黙って頷くと彼女の両肩へ『手』で触れる。
笑みを浮かべたまま彼女はピクリと一瞬身体を震わせると、小さく溜息を吐いた。
ぼくはそれを見てから、彼女の肩から手を動かし、ベビードールを吊っている肩紐をゆっくりずらす。
「そう……。やさしく、ゆっくり……」
まるで独り言を言うように彼女はぼくを視界に捉えず、宙を眺めて小声で呟く。
両肩に置いた手で肩紐をするりと外すと、重力に従いベビードールは彼女の腰元まで勝手に下がった。
そして現れたのは、小振りな胸と、先端にある桃色の乳首。
ぼくはゆっくりと彼女の胸へ手を伸ばし、指で乳房を撫でる。
「はっ……、うぅん……」
ぼくが触れると、彼女は切なげな声を漏らす。
始めは乳房の下を撫で、次第に全体を包むように優しく揉む。
「あっ、はぁぁっ……。そ、そうよ。優しく、じっくりと……」
吐息混じりの彼女の声に、ぼくは否が応にも身体が熱くなってしまう。
彼女の声を聴いてから、ぼくは左の乳房を揉みながら右の乳房にある乳首に指で触れる。
チョン、と軽く突付くだけで、彼女は敏感に反応する。
「はぁっ。あぁ、大分巧くなったわね……」
ぼくを誉めるような彼女の声を聴きながら、ぼくは乳首を指で摘む。
「ふやっ、あぁっ」
キュッと指先に力を入れて乳首を圧迫すると、彼女は背筋を仰け反らせて甘い声を出す。
彼女の反応を確めながら、ぼくは左の乳房を揉みながら右の乳首をキュッ、キュッと締める。
「あぁっ。い、いぃよっ。そう、はぁんっ、そうよっ」
上半身を起こしていた彼女は、次第にベットへと沈み、ぼくの責めを受け止める。
時折ピクッ、ピクッと動く腰を気にしながら、ぼくは彼女へゆっくり覆い被さる。
彼女の耳に舌を伸ばし、優しく舐める。
「はぁんっ。み、耳は弱いの……」
知っている、だっていつも言っているから。
耳を十分舐ってから舌をゆっくりと降ろし、首筋を愛撫する。
じんわりと浮かんでいる汗を舐めとる時、チュルリと音を立てるのを忘れない。
彼女は、自分の身体から出る音にも反応するんだ。
「あふっ、ふぅんっ。やぁぁ、乳首、乳首気持ちいい……」
彼女の嬌声は次第に熱を帯び、肌は次第に桃色に染まっていく。
だけど、これだけでは彼女は満足しない。
ぼくは首筋に舌を這わせ、彼女の胸を舐りつづける。
指に収まる乳首がコリコリと硬くなったのを確認して、ぼくは乳首を圧迫しながら擦り上げ、先端を指で突付く。
「はぁっ! あぁっ、イイよぉっ! 乳首、コリコリしてるのっ!」
彼女の口から出される涎を舐めとり、口の中に舌を入れて歯茎を舐める。
すると彼女はぼくの舌に自分の舌を絡ませて、貪欲にぼくの舌を貪る。
クチュクチュと音を立ててお互いの舌を舐めあいながら、ぼくは彼女の乳首を更に責めたてる。
「んんっ! んふぅ〜っ! むぅ〜!」
息苦しいのか気持ちいいのか分からない彼女のうめき声を聞き、ぼくは彼女の口から舌を離す。
口が解放されたからか、彼女は猥らな言葉を嬌声と共に吐き出す。
「ああぁっ! はぁっ! いぃ、イクっ! だめぇっ! 胸で、胸だけでイっちゃうぅっ!」
背筋を仰け反らせ、目を瞑って嬌声を出す彼女を、ぼくはそのまま舐りつづける。
口は大きく開き、腰を持ち上げて大きく振る彼女は、普段の凛としたお嬢様な姿とは違い猥らに悶える娼婦のようだった。
最大限に勃起した両の乳首を擦りたて、先端を突付き、乳房を揉む。
絶え間なく嬌声を上げる彼女は、本日最初の絶頂へと上り詰める。
「ああっ、あああぁ! イク、イィッ! イクイクイクッ!!」
駄目押しに、乳首の先端を軽く引っかく。
その瞬間、彼女は大きく腰を突き出し背筋を仰け反らせた。
「ひゃぁぁっ! ああああああああぁぁぁ〜っ!!」
一際高い嬌声を出した彼女は、ビクリビクリと身体全体を震わせ、絶頂を楽しむ。
その間、ぼくは彼女が未だ身に纏っているベビードールをゆっくりと彼女の身体から抜き出す作業に移った。
震える腰からスルスルとベビードールを足元へ降ろし、抜き出す。
脱がしたベビードールで隠されていた彼女の下半身は、これで露になった。
未だ震える彼女の腰につけられているのは、見た目にもじっとりと濡れたショーツ。
脇の紐で結ばれている薄手のショーツは、湿った所為で秘部をうっすらと浮かび上がらせていた。
それを外す為、指で結ばれた紐を解き、ゆっくりとお尻から抜く。
これで、彼女の身体を隠すものは何一つ無くなった。
月明かりで照らされた、桃色に色付く肢体。
身体全体でキラキラと月明かりを反射させるのは、彼女からじんわりと湧き出た甘い香りを放つ汗。
そして、最も月明かりを反射させている、濡れそぼった秘部。
絶頂の余韻から未だ抜け出しきれていない彼女の身体は、細かく震えていた。
カタカタと震える彼女の足に、ぼくは手を触れる。
その感触に、彼女は再びピクリと反応して声を出した。
「はぁん。あぁ……」
ぼくを咎めるような事も言わず、彼女はうっすらと目を開き、その吸い込まれそうな瞳でぼくを見つめる。
向けられた視線には、期待が込められていた。
まだ彼女は満足している訳ではない。
彼女は快感に貪欲なのだ、この程度で満足出来る訳がない。
ぼくは彼女の期待に応えるべく、足に触れた手をゆっくりと付け根へと這わせていく。
しっとり濡れた肌の上を走る手から、まるで彼女の快感が流れ込んでくるような感覚を覚える。
ゆっくりと太股を撫でながら、ぼくは彼女の股の間に身体を滑り込ませて両足を開く。
「あぁ、いやぁ……。見ないで……」
ぱっかりと開いた両足の付け根にある、濡れそぼった蜜壷。
ぼくがそこへ視線を向けると彼女から咎めるような言葉が出る。
だが、それは彼女の本心じゃない。
力の入っていない両足をゆっくりと擦りながら、ぼくは濡れている秘部へ軽く指先を触れさせた。
「ひゃぁっ! うぅぅん……」
触れるとすぐに彼女は声を挙げ、秘部を濡らす。
ぼくは指を一本から二本、二本から三本へと増やしていきゆっくりと彼女の秘部を外側から愛撫し始めた。
じっとりと濡れている秘部からは蜜が次々を湧き、ぼくの指を濡らしていく。
「はぁぁっ! うぅんっ! いいっ! そうっ、もっといじってぇっ」
クチュクチュと音を立てて彼女を秘部をいじくり、膣の入口をほぐす。
既にびしょびしょに濡れ、柔らかくなっている膣の入口だが、それでもぼくはじっくりそこを舐る。
この場所は、彼女が好きな場所の一つだから。
「あぁっ、ふうぅんっ! キモチ、気持ちイイよぉ!」
彼女は入口を弄られる快感に酔いながら、自身で乳房を揉み乳首を弄くる。
その姿にぼくは身体に電気が走るのを感じた。
次第にその電気は全身を駆け巡り、指先に及ぶとそこから抜け出した。
すると、ぼくの指先からぴゅっ、ぴゅと液体が出て、彼女の秘部に付着する。
その感触が分かったのか、彼女は再び大きく嬌声を挙げた。
「ああぁぁっ! で、出てるっ! 私のアソコにかかってるぅっ!」
身体を弓なりに仰け反らせ、大きな声で彼女が叫ぶと、目の前の蜜壷からぴゅぴゅっと液体が飛び出す。
顔にかかったその液体は彼女の愛液で、猥らな女の匂いをぼくの身体に染み込ませていく。
なんだか愛液がかかった場所が次第に熱くなり、その熱はぼくの身体全体を包んだ。
ブルリとぼくは身体を震わせて、彼女の秘部を再び指で弄ぶ。
「やぁぁっ! あついっ、アソコがあついのぉっ!」
熱くなったぼくの指は彼女を快感に狂わせる。
だけどぼくも、指から彼女の秘部のキモチよさが伝わってくるのを感じていた。
次第に指の動きを激しくし、膣の入口を何本もの指で弄くる。
「ふやぁっ! あぁっ! いいっ、くふぅっ!」
グチャグチャと音を大きくしていく秘部は、もはや彼女の意思とは無関係に蠢いている。
ぼくは膣の上、尿道口の更に上にある大きく勃起したポッチ、隠核へと指を伸ばし、被っている皮をめくる。
すると、彼女はビクリと大きく身体を震わす。
「かはっ! あぁっ! クッ、クリトリスらめぇっ!」
髪の毛を左右にぶんぶんと振り乱し、表面上拒絶の意思を伝えてくる彼女は、それでも足を閉じようとはしなかった。
ぼくは皮を捲って飛び出てきた裸の隠核をキュッ、と指で締める。
「やはぁぁっ! そこらめっ! らめぇっ! おかしくなっちゃうぅっ!」
もはや呂律が回らなくなった彼女は、それでもぼくに訴えかける。
自分の弱い場所を伝えてくる彼女に従い、ぼくは隠核を指で擦りながら膣の入口へ指を一本侵入させた。
「ふやぁぁっ! は、はいっちゃぁ……。メイのあそこ、はいっちゃぅよぉ」
自身の名を呼び、自らの痴態を表すようにする彼女は、快感の度合いを高めていく。
ぼくも彼女の中へと入った指から伝わる快感に、思わず酔いしれた。
だが、このままじっとしている訳にもいかない。
ぼくは細い指を彼女の奥へと潜り込ませていく。
「はあぁっ! あがってくるぅ、あがってくるよぉぉっ!」
ズルズルと奥へと昇るぼくの指を感じて、彼女は声を挙げる。
ぼくの指はある程度入った所で止まり、指の先に壁のようなものを感じていた。
ここからは、慎重に入れていかなければならない。
ぼくは彼女から、これは『大切な人のための大切なもの』だと教えられた。
ぼくはその壁を壊す事が出来るが、壊してはいけないらしい。
それは、ぼくが『大切な人』じゃないからだと言っていた。
ぼくはその言葉に何の感慨も受けなかったが、彼女は何故かぼくの身体を撫でて教えてくれた。
この壁には小さな穴が開いていて、ぼくの指なら壊さなくてもその穴から奥へ入る事が出来ると。
彼女はぼくに壁を壊さないで奥に入れて欲しいと言っていた。
だから、ぼくは彼女に言われた通り壁を壊さずに何度も奥へと指を入れてきた。
今日も、ぼくは彼女の壁を壊さずに奥へと入れなければいけない。
彼女が用意してくれている、『抜け穴』を探し当てて。
ツンツンと指の先で壁をつつきながら、ぼくは抜け穴を探す。
「ふはぁっ! らめぇ、らめぇっ。それらめなのぉっ! こわさないでぇっ!」
何度か試している間も、彼女は震えてぼくの指の感触に嬌声を挙げ続ける。
やがて、指は抜け穴を探し当て、スルッと壁をすり抜けて彼女の奥へ入る事が出来た。
その瞬間、彼女は再び大きく叫ぶ。
「ああぁっ! はいってる、奥にはいってるよぉぉ! 処女膜あるのにはいってるぅっ!」
スルスルと抜け穴を通り奥へと指を伸ばしていくと、コツンと指先に再び壁が触れた。
この壁は、彼女の膣の最奥の壁。
もうこれ以上膣は先に広がってはいない証拠だった。
ぼくは指をそれ以上奥へ進めるのを辞め、彼女の中で動かす事にした。
奥の壁を先で触り、なぞり、グニグニと押してみる。
中で暴れまわるぼくの指に反応して、彼女も一緒に腰を動かす。
「ふやっ!ひやぁっ! 奥にっ、奥にあたってるぅっ! キモチいいっ、キモチいぃよぉっ!」
腰を振ってぼくの指を楽しむ彼女は、涙を浮べて微笑んでいた。
ぼくの指で快感を得ている彼女は腰を振り、股にぼくの身体を挟んで踊っている。
そろそろ、ぼくも気持ち良くなりたい。
悦んでいる彼女を見ていると、ぼくの欲求も高まってきていた。
ぼくは腕を伸ばし彼女をベットから持ち上げて、脇に腕を通して抱える。
横になったまま浮いている彼女はぼくに持ち上げられながらも腰を降りぼくの指で快感を得ていた。
「ひゃぁっ! おかしくなるっ! おかしくなっちゃうよぉっ!」
腕の中で暴れる彼女の隠核を指で擦りながら、ぼくは彼女の身体中に指を這わせていった。
首筋、肩、乳房、乳首、腰、おへそ。
そしてぼくは彼女の下半身に残る穴。
指で摘んでいる隠核の下にある尿道口の入口も指で弄くり始める。
ここは、彼女のもうひとつの好きな場所だった。
ツプリと指を入口に沈ませると、彼女は悲鳴を上げる。
「ひゃぁぁっ! ああぁぁっ! そっち、そっちの穴は違うのぉぉっ!」
違うとは言うが、彼女は喜んで指の感触を楽しんでいる。
ツプ、ツプリと尿道口に指を差し込むたび、彼女は大きな嬌声をあげて反応を示してくれる。
ぼくは彼女の反応を楽しみながら爆発しそうな欲求を抑え、自分の性器を外に現した。
皮を剥いてスルリと現れたぼくの性器は、死んだお父さんのものよりは小さいが、指よりは大きなものだ。
その先からは、ぼくの欲求を表す透明な液体があふれ出ている。
彼女はそれを人目見ると大きく目を見開き、嬌声を震わせる。
「ひゃぁっ! そんな、らめぇっ! そんなの入らないよぉっ!」
ぼくはこういう時の『駄目』という言葉を全く信用していない。
それは、こういう時の『駄目』は『大丈夫』という意味だと彼女から教えられたからだ。
ぼくは自身の性器を動かし、宙に浮いたまま寝転がっている彼女の最後の穴、排泄物が出る『お尻の穴』という所の入口へとぴったりとくっつけた。
ここが、ぼくの性器が入る事を許された唯一つの場所だった。
ぼくはその入口に性器を押し付けて、じわじわと中へ侵入を試みる。
秘部からの愛液に濡れているそこは、予想以上にすんなりとぼくの性器を受け入れてくれた。
ズブリ、と音がしそうなほど性器が深く入ると、彼女は再び悲鳴をあげた。
「ひゃあぁぁっ! うぅぅっ! おしり、おしりはいったぁぁぁっ!」
入れられた感触を楽しむようにブルブルと震える彼女のお尻を、ぼくは突き上げる。
ズブ、ズブとぼくは性器を動かしながら、彼女の膣へと入っている指、尿道口を犯している指、隠核を摘んでいる指、彼女の全身を包んでいる腕と指を同時に動かす。
性器をギュッと締めつけられる快感を味わいながら、ぼくは彼女を責めたてた。
「きゃぁぁっ! ひゃぁぁっ! わぁあぁぁっ!」
もはや悲鳴にしか聴こえない彼女の喘ぎ声を聴きながら、ぼくは彼女のお尻を犯す。
ズンズンとぼくがお尻を突き上げれば、彼女は悲鳴をあげてそれに応える。
「ふやぁぁっ! おしりっ、おしりぃぃっ! イってるぅっ! イってるのぉわたしぃぃっ!」
全身を一度に責められ、絶頂を迎えている彼女をそれでも責めたてる。
彼女の秘部からは愛液がビュクビュクと噴出し、ベットのシーツに染みを作る。
宙に浮いたまま腰を振りつづける彼女は、全身をぼくに犯されていた。
一瞬大きく彼女は震えると、やはり叫び声をあげる。
「いやぁぁっ! キモチよすぎるのぉっ! おしっこっ! おしっこでちゃうぅ! おもらしぃぃっ!」
途端、彼女の秘部から愛液とは違う、黄金色に輝く液体が噴出した。
ぷしゃぁと弧を描いて噴出した液体はビチャビチャのベットを更に汚していく。
「ひゃぁっ! おしっこ、おしっこきもちいいっ! おしっこでもイっちゃうぅっ! おもらししちゃうのぉっ!」
とめどなく噴出す液体はぼくの身体にもかかり、ぼくの腕や指も濡らしていく。
またか、と思いながらぼくは彼女のお尻を突き上げていた。
彼女がおもらしするのはいつもの事。
ぼくはさして気にも止めず彼女の身体を貪っていた。
「あはぁぁっ! くるっちゃう、くるっちゃうよぉっ! だめぇっ! しぬっ、しんじゃうぅっ!」
おもらしも止み、ぼくの指と性器で相変わらず感じている彼女はもうそろそろ限界だった。
髪の毛を振り乱し、涎を撒き散らしながら叫ぶ彼女の眼は虚ろなものへ変わっていく。
これ以上責めたてれば、彼女は精神を病んでしまうだろう。
精神だけでは無く、限界の無い快感を延々味わっている肉体も壊れてしまう。
はもう少し彼女のお尻を味わいたかったがそうもいかない。
ぼくは絶頂を迎えるべく、全身への愛撫を止めお尻へ抽送を繰り返す性器と彼女の下半身を責めている指の感覚を敏感に感じ取る事にした。
「あふぁぁっ! ふやぁっ! いぃっ! いってるのぉっ! しんじゃうぅぅっ!」
彼女の訴えを聴きながら、ぼくは指と性器が感じている彼女の身体の気持ちよさに身体を任せて性器を突く。
ズンズンと奥へ突き刺さるぼくの性器は、彼女のお尻にギュウギュウと締め付けられ絶頂を迎えようとしていた。
ぼくの性器の先が膨らみ、更に彼女のお尻の中を広げる。
指から伝わってくる快感も、次第に高まってきていた。
「ああぁぁっ! でるのっ!メイのなかででそうなのぉぉっ!」
ぼくの変化を敏感に感じ取った彼女は自身も更に激しく腰を降り、ぼくを絶頂へ導こうとする。
秘部の奥へと入っている指は更に奥への入口を見つけ、そこに先端を差し込む。
お尻へと入っているぼくの性器はもはや限界を迎えていた。
「はぁぁっ! 子宮にっ! 一番奥に先っぽがはいってるぅっ!」
後は絶頂を迎えるだけ。
ぼくは一気に抽送のペースを速めて彼女の奥を突き立てる。
「いいぃっ! なにかくるっ! もっと凄いのきちゃうよぉぉっ! メイもぉらめぇっ! らめぇぇっ!」
叫ぶ彼女の声を合図に、ぼくは彼女の中で絶頂を迎えた。
ドクンッ、と性器と彼女の全身を包む指から吐き出された液体が、彼女へと一気に広がっていった。
「ふひゃぁぁっ! ひゃああああぁぁぁぁぁ〜〜〜っ!!」
ドクン、ドクンとぼくが性器から液体を吐き出すと、彼女は身体を硬直させて叫び声を挙げた。
目は見開かれ、口は大きく開かれている。
膣は指をギュウギュウに締め付け、お尻もぼくの性器から全て吸い取ろうとするかのように締め付けてくる。
そのとてつもない締め付けに、ぼくは更に指と性器から液体をドクドクと吐き出し続けた。
「ああぁぁぁっ! きゃうううぅぅぅぅぅぅっ!!」
両方の穴と全身へと吐き出されている液体を感じ、更に彼女は身を硬くして叫んだ。
穴に吐き出された液体は彼女の中に収まりきらず、ゴポリと両方の穴から漏れ出してくる。
ベチャベチャとベットにぼくの液体が落下する音を聴きながら、ぼくは彼女の中に全てを吐き出す。
「あぁぁ……。かはっ、ふあぁ……」
口をパクパクさせながら、もはや声にならない叫びを挙げている彼女は、ぼくの出す液体を受け止めながらカクリと首を傾けた。
まるで糸が切れたようにカクカクと首を動かす彼女を見て、ぼくはこの『躾』の終了を悟ったのだった。
膣とお尻からぼくは性器と指を抜き、彼女の身体を持ち上げたまま一つ息をつく。
これで今日はおしまい、ゆっくり眠れる。
心の中をそれだけが埋め尽くし、変な満足感をぼくは得ていた。
ぼくは腕の中で失神したまま眠り始めた彼女を抱えながら、ベットの上から下へと指を伸ばす。
スルスルと伸ばした指の先に、コツンと硬い感触が当たった。
その縁を指でなぞり、真中についている小さなポッチをポチッと押す。
すると、すぐさま彼女の部屋の扉がコンコンと叩かれた。
「失礼します」
ノックされた後、声と共に入って来たのは彼女の付き人の女の子だった。
ぼくは付き人の子が入ってくると、彼女の身体を腕で隠す。
そうしないと、この子は顔を真っ赤にして部屋を飛び出してしまうからだ。
入って来た女の子は大きなベットのシーツを持ち、こちらへと近づいてくる。
「また、お汚しになってしまったんですね……」
女の子はぼくの乗っているベットを見ると顔を赤くしてはぁ、と溜息をついてからぼくを見る。
「シーツを交換するから、降りてくれますか?」
顔が赤いままにっこりと微笑む女の子の言葉を受け、ぼくは無言でベットを降りる。
降りる時も、ぼくの腕の中で眠っている彼女は隠したままで。
ぼくがベットから床へ降りると、女の子は早速いつもの仕事を始める。
この女の子は、いつもぼくと一緒に『躾』の後片付けをしてくれる優しい女の子だ。
茶色い髪を二つに分けて結んで従者の服を着ている目の前の女の子も、彼女と同様に美少女だとぼくは思う。
彼女がぼくの『躾』係だとすれば、この女の子はぼくの『お手伝い』係だろう。
ぼくが眠っている彼女の身体を女の子が用意してくれた濡れタオルで拭いている間、女の子はベットのシーツを取り替えてくれる。
汚れてしまったシーツを新しいシーツと交換で持ってきた籠の中に放り込むと、女の子は部屋の大きなタンスの中から彼女の枕と布団を取り出す。
女の子の動きを見てぼくは彼女の身体を綺麗に拭いてからベットの上へと寝かせてあげる。
黙ってぼくを見ていた女の子は綺麗になった彼女を確認すると、新しいショーツを履かせて、新しいベビードールを着せてあげる。
ぼくは彼女を拭いた濡れタオルで自分の身体を拭いてから、女の子の持ってきた籠の中に汚れたタオルを放り込んだ。
「お疲れ様でした、ピキーちゃん」
女の子はぼくを見て、声をかける。
彼女には悪いが、ぼくはこの名前が好きではない。
だって、ぼくの名前は他にあるから。
でも彼女達は、ぼくを『ピキーちゃん』としか呼んでくれない。
言葉の通じない彼女達に、ぼくの本当の名前を伝えるのは無理な事だった。
ぼくはかけられた声に返事をすると、女の子に向けて腕を振る。
女の子も笑顔でぼくに手を振り返すと、寝ている彼女に布団をかけて部屋を出る準備をする。
「……おやすみなさい、メイお嬢様。サレナは明日また参りますね?」
いつものように、眠っている彼女に話し掛けてから、女の子はぼくへと振り向く。
「ピキーちゃんも、おやすみなさい」
「ピキーッ!」
ぼくは女の子におやすみの挨拶を返して、腕を振るう。
彼女はぼくを笑顔で見つめてから、扉を開けて出て行った。
満月の夜は、人を狂わせるとよく言われている。
でも、狂わせるのは人だけではない事を、ぼくは良く知っていた。
月の光が世界を照らす時、夜の闇に生きるモノが時を刻み始める。
世界が夜だけになったら、ぼく達はたちまち時を刻むのを辞めてしまうだろう。
それがぼく達と彼らの違いだった。
狂った世の中の、狂った歯車はどうやったら直るのだろう。
魔物と呼ばれる生き物が蔓延るこの世界。
けれど世界は概ね平和だった。
だけど、ぼくの周りだけは平和じゃなかったんだ。
一匹の魔物が狂って暴れだし、ぼく達の森を襲ってきた。
お父さんとお母さん、お兄ちゃんやお姉ちゃんが立ち向かって、森は救われた。
けれど、そこから狂ってしまったんだ。
人の血の味を知った魔物の血は、魔物と呼ばれる違う生き物を冒していく。
ぼくの家族は、ぼくを残して森を出た。
人の血を、楽しむために。
街に犠牲が出て、国王はぼくの家族に賞金をかけた。
『野生のブリルにより国民に被害有り。モンスター・ブリルを倒した者、ブリルの生死を問わず賞金を与えん』
それで、ぼくの家族は殺された。
モンスター・ハンターと呼ばれる賞金稼ぎが、ぼくの家族を殺してくれた。
狂った魔物は二度と治らない。
だから、ぼくは殺してくれた事には感謝している。
狂ってしまった家族を見ているのは辛かったから。
けれど、その後が悪かった。
ぼくの目の前で家族を殺してくれたモンスター・ハンターは森から出てきて家族の様子を見ていたぼくに気付いてしまった。
ぼくは頑張って逃げたけれど、ぼくの短い足では無理だった。
あっさりと捕まってしまったぼくは、モンスター・ハンターによって狂っていないブリルの見本としてこの街に連れてこられてしまったんだ。
檻に捕らえられたぼくは、国王の城へ連れて行かれ、国王に献上された。
狂っていないブリルは、他の魔物と違い利用価値が高いらしく、また希少種であるため貢物などには効果抜群らしい。
喜んで受け取った国王は、モンスター・ハンターに賞金と礼金、ついでにぼくの代金も支払うとすぐにぼくを親友であり大臣の娘へとプレゼントした。
国王には息子は居るが、娘は居ない。
それに息子も結婚はしているが子供は未だ生まれてはいなかった。
だから、国王は自身も可愛がっている親友の娘へとプレゼントしたのだろう。
娘はぼくを喜んで受け取り、国王の頬にキスまでして喜びを表していた。
その娘が、ぼくに毎日『躾』をするメイという名前の彼女だった。
彼女はその日からぼくを自分のペットとして扱い、『躾』をしてくるようになった。
初めは何度も逃げ出そうとしたのだが、ことごとく失敗。
ぼくは大人しく諦め、彼女の『躾』を受け入れる事にした。
けれど、もう限界だ。
ぼくにとって『躾』は、そりゃ、気持ちいいのは確かだけれど、でも好きにはなれない。
普段の『彼女』はとても綺麗で、可愛くて、ぼくは大好きだ。
でも、『躾』の時の彼女は、なんだか好きになれない。
いじわるだし、人の事汚すし、『彼女』が『彼女』ではなくなってしまう。
ぼくをぼくとして見ていない、ぼくを玩具か何かだと思っている。
ぼくは自分が馬鹿にされているような、そんな悲しい気分になる。
ぼくがこんな身体をしているから彼女はぼくを『躾』るんだろうか?
ぼくはこんな身体に生まれてしまった事を、ここへ来て少し忌々しく感じる時がある。
だからぼくは、この生活が嫌なんだ。
だからぼくは、今日この家を出て行く事にした。
脱走だ、脱出だ。
もうこんな生活嫌なんだ。
何不自由無い生活なんて求めない。
ぼくが欲しいのは、『躾』が無い生活だ。
ぼくは夜空に浮かぶ満月を眺め、決意に腕を振り上げて、大声で月に向かって吼える。
「ピキィーーーーッ!!」
ぼくの名前はカイル・オディビアランス・レイ。
人はぼくを、『ピキーちゃん』と呼ぶ。
人はぼくを、ブリルと呼ぶ。
人はぼくを―――。
――――――窓から見える満月を眺め、ぼくはいつも問い掛ける。
――――――満月さん、ぼくはなんで触手なんでしょうか?
製作所要時間:5時間。
製作方法:立案・プロット作成・組み立て→文章打ち込み→誤字・脱字修正。